不器用なひと。
渋谷すばるはとても不器用だ、と思う。
たとえば
みんながやってるゲームを途中から一緒に始めるのが恥ずかしいから後輩にゲーム機を預けてこっそりやってたこととか(後に横山さんに引き入れてもらう)
大倉くんに散々ゲーム下手って馬鹿にされることとか(威嚇する年長者とあっはっはと笑う最年少)(すばくらかわいい)、
おしゃれではなく楽という理由で奇抜な髪型にしちゃうこととか(マッシュルームとかパイナップルとか)、
役に入り込むと抜けるのに時間がかかっちゃうこととか、
ソロ活動の態度が悪く見えちゃったこととか、
様々なジャンルのレギュラーが展開されて海外公演も見据えた15周年で突然退所しちゃうこととか。
考えてみれば、すばるくんは度々「人生」と口にしていたような気がする。
メンバーとの関係を「人生の半分以上を一緒に過ごした」と表現する彼にとって生きている日々というものを強く意識していて限りあるものだと理解していたのかもしれない。
そして人生の折り返し地点の36歳という年齢を迎えて本当に生きているうちにやりたいこと、『音楽を追求したい』思いが強くなったんじゃないかなと思った。
36歳が折り返し地点だなんて物騒なこと言わないでほしいけど。
確かに音楽を追求する事務所ではないかもしれない。
でも、そもそもすばるくんは音楽性だけでなく笑いのセンスも演技もピカイチなんだからそちらに時間を割り当てられるのも仕方がないじゃないか。
すばるくんの秀逸な一言がどれだけテロップに使用されたか、メンバーがぶつかり合ったコンサートの演出は最終的にすばるくんの案に決まったことだってあったじゃないか。主演映画が表彰されたじゃないか。
結局のところ、すばるくんが才能あふれる人なのに二刀流が出来ない不器用さんなのがいけないんじゃないかと責任転嫁さえしてしまう。
そう思う一方ですばるくんの一本気ある不器用さがとても好きだ。
アーティスティックでハラハラさせられつつも結局は彼の芯のあるところにたまらなく惹かれているのだ。
だから今回の報道を受けてショックを受けつつも、心のどこかで「すばるだから」仕方がない、一度言ったら折れることはないだろうと納得している部分があった。
もっといえば、FLAT FIVE FLOWERSの活動をしていたときなんてやめちゃうんじゃないかと緊張感をもって動向を見ていたので、よくぞここまで続けてくれたなという気持ちすら芽生えてきた。ショックすぎてニュースを直視するのに時間がかかったけど。
ただ、
メンバーの首の後ろにほくろがあることを知って「みんな兄弟やねんて」とニコニコと言ったすばるくんの姿を見て、家族のような存在になったメンバーがいるからこの関係を手放すことはないだろうとタカをくくっていたのも事実で。
あの日メンバーが揃って会見に参加して、涙を流したり納得のいかない表情をしたりしながらも結局みんなしてすばるくんを送りだすことを決意した関ジャニ∞を見て
家族って離れた場所にいても家族って呼ぶよな
と涙で滲む視界の中ぼんやりと感じてしまった。
家族のような絆で結ばれているからこそ最後は意思を尊重し背中を押す結果となったんだなって。
最後までメンバーが引き留めても首を縦に振らなかったのは生き方に嘘をつけない不器用なすばるくんそのものだなと思う反面、もっと器用に関ジャニ∞の渋谷すばるでいてほしかったとも思う。
言ってもどうしようもないことだけど。
ジャニーズという守られた環境から飛び出して身一つで歌に挑戦したいというすばるくんらしい選択を受け入れ咀嚼するしかない現実が痛い。
ずるいよ。メンバーやファンが最後は折れることになるの分かってたんでしょ。
だってそんな真っすぐなところも好きなんだもん。
家族のように過ごしたメンバーが最後は一緒に会見してる姿をみてこれ以上私達がいうことなんてないよ。
だからこれからは最後のときまで関ジャニ∞の渋谷すばるでいてほしいし、次のステージに行ってから最強で最高の仲間と過ごした日々を封印しないでほしい。
メインボーカルでグループの支柱だったすばるくんがいなくなって、
不器用なすばるくんをサポートしてきたメンバーが傍にいなくて、
「本当に大変だったわぁ」ってお互いビッグになって共演したときに笑い合う未来を夢見て彼の旅立ちを送り出そうと思います。
すばるくん、今までアイドルでいてくれてありがとう。
今もこれからも大好きです。